
変わりゆく食卓、受け継がれるぬくもり -南仏のクリスマス-
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皆さま、ご無沙汰しています!
少しずつ陽射しが暖かくなり、春の訪れを感じる今日この頃☘️
気づけばもう3月!年明けからバタバタしていたら、あっという間に時間が過ぎていました。
そんな中、ふと振り返るのは、南仏で過ごした去年のクリスマス。
前回、幼少期のクリスマスのお話をさせていただきましたが、現地で迎えたクリスマスについては、まだ触れていませんでした。
ということで、今回は フランスのクリスマスディナー のお話を🎄✨
フランスのクリスマスは、まず「集まる」ことから
フランスでは、お正月よりもクリスマスの方が一大イベント!
家族や親しい人と集まり、時間を気にせずゆったり過ごすのが醍醐味です。
今回のクリスマスディナーは 2回 。
1つは家族とのディナー 、もう1つは 祖母の親友一家とのディナー 。
まずは、祖母の親友宅でのディナーの様子をご紹介します🍷
集合時間は「なんとなく」?フランス流のディナー事情
クリスマスイブが近づく頃、祖母の親友宅にお招きいただきました。
門を開けると、リビングの隅々までクリスマス仕様にデコレーション!
「どう?素敵でしょう?」と言わんばかりの笑顔で迎えてくれました。
そして、ここで改めて感じたのがフランス流の時間の捉え方 。
40分遅れてくる人もいれば、早めに来てワイン片手におしゃべりしている人も。
そして、全員が揃うのはいつになるのか誰も気にしていない🤣。
「今日の目的は、みんなで楽しく時間を過ごすこと」
だから、遅れても 「やっと来たのね!」くらいの温かい迎え方が普通なんです。
日本では、「時間を守ること = 相手への敬意」と考えますよね。
でも、フランスでは 「人との時間こそが人生を豊かにする」 という価値観が根付いていて、時間は流れるものとして捉えられています。
だから、居心地が良ければ予定よりも長く過ごすのが普通。
この柔軟さ、最初は戸惑うけど、一度馴染むと心地よかったりします(笑)。
井戸端会議をしてる祖母と祖母の親友。
変わりゆくクリスマスディナー
ようやく全員が集まり、ディナーがスタート!
この日のメニューはラクレット 。
フランスのクリスマスディナーといえば、
フォアグラ、オマール海老、ローストチキン… そんな豪華な食事を想像しますよね?
でも、この日はとろとろのラクレットチーズを、じゃがいもやシャルキュトリーにかけて楽しむ、カジュアルなスタイルでした。
年齢を重ねるにつれて、無理なく楽しめるスタイルに変わってきたのかもしれません😋
食事をしながら自然と会話が生まれ、みんなのペースでゆったり食べ進める。
「クリスマスはこうあるべき!」という決まりごとはなく、
その年その年で「無理なく、楽しく」過ごせる形に変わっていく。
デザートも、伝統的な 「13デザート」 ではなく、
シンプルにフルーツサラダとオレンジピールのチョコレート🍫🍊。
伝統って、受け継がれていくものだけど、形を変えながら続いていくものでもありますよね。
無理に守るのではなく、その時代に合ったスタイルになっていく。
そんな自然な変化こそ、本当の「受け継がれる文化」なのかもしれません。
プレゼントは「その人を思う時間」
フランスのクリスマスといえばプレゼント交換も欠かせません🎁✨
ツリーの下には、家族全員へのプレゼントがずらり。
でも、大切なのは「何を贈るか」ではなく、「なぜ、それを贈るのか」。
例えば…
🎁 仕事と家事をこなす感性豊かな祖母の親友の義理の娘には、縁起物のだるまとお香 。
🎁 料理好きな祖母の親友の息子には、日本の酒蔵エプロン 。
🎁 チャーミングでおしゃれな祖母の親友には、エレガントな風呂敷 。
🎁 日本に行きたいけど難しい祖母の旦那様には、日本酒。
形だけの習慣ではなく、「その人を思う時間の積み重ね」と表現してもいいイベント事だと感じました🧣
形に残るもの、心に刻まれるもの
時間、食卓、会話、贈り物。
どれも日々の中で繰り返されることながら、その背景には文化や価値観が映し出されていきますよね。
食卓を囲む時間は、ただ食事をする場ではなく、人とのつながりを深める時間でもあったり、会話のリズム、贈り物の選び方、食事の流れ…
──それぞれの文化が紡いできた関係性の形が、そこにあって、形式が変わっても本質は変わらず受け継がれるものだと改めて思いました🌉
情報が溢れる今だからこそ、
隣の芝生を気にするのではなく、私たちにとって心地よい形で文化を紡いでいく 。
そんな風に楽しめる人が増えたら素敵だな、と思います✨
では、また次の投稿で!